脱毛の新常識

美容脱毛と医療脱毛、何がちがうの?

脱毛をプロに任せようと思うと、脱毛サロンか脱毛クリニックを選ぶことになります。
より多くの人が利用しているのは脱毛サロンです。
低価格をウリにしたキャンペーンの広告やCMを見ることも多いので、より身近な存在なのでしょう。

脱毛サロンで受けられる光脱毛は、脱毛クリニックのレーザー脱毛の威力を弱めたものです。

これから、そのちがいについて説明していきます。

医療脱毛で使われるレーザーの種類は、主に「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」の3種類です。

これらのレーザーは光源やレーザーが届く距離(波長)がちがいます。

波長が短いほどメラニン色素への反応が強く、高い効果が得られます。
3種類のなかでは、アレキサンドライトレーザーとダイオードレーザーが同じくらいの効果があり、ヤグレーザーは少し効果が劣ります。

【レーザーの種類】

レーザーの種類 アレキサンドライトレーザー ダイオードレーザー ヤグレーザー
光源 アレキサンドライト(宝石) 半導体を利用して人工的につくられらレーザー Y(イットリウム)A(アルミニウム)G(ガーネット)の結晶
波長 755nm(普通) 800nm(普通) 1064nm(深い)
主な機械名称 ショット式 ショット式/蓄熱式 ショット式
主な機械名称 アメリカ・キャンデラ社「ジェントルレーズプロ」(薬事承認済み) ◇ショット式
アメリカ・ルミナス社「ライトシェアデュエット」
◇蓄熱式
ドイツ・エスクレピオン社「メディオスターNeXT PRO」(薬事承認済み)
アメリカ・キャンデラ社「ジェントルヤグプロ」

しかし、効果が高いということは、やけどのリスクも高いということ。
日焼けや色素沈着している部位や、もともと色黒の人は照射できないこともあります。
そういったケースでは、波長の長いヤグレーザーが効果を発揮します。

この中で、人工的につくられたダイオードレーザーのマシンのなかには、「蓄熱式脱毛(SHR脱毛ともいう)」といわれる施術ができるものがあります。

蓄熱式とは、強いレーザーを当てて一瞬で毛の細胞を破壊するのではなく、弱めのレーザーをじっくり照射して、発毛の指令を出す組織であるバルジ領域という部分やバルジ領域を含めた毛包周りの組織にアプローチする手法です。

使用する機械にもよりますが、機種によっては毛周期に関係なく施術でき、うぶ毛にも効果があります。
メラニン色素に反応させないので、色黒の肌にも施術できます。
ただし「これから生えてくる毛」に作用するので、効果を実感するまでに時間がかかります。

【ショット式と蓄熱式のちがい】

照射方式 HR(ショット式) SHR(蓄熱式)
照射の仕方 強い光を単発で照射する 弱い光をすばやく連続して照射する
痛み 強い 弱い、もしくは無い
肌へのダメージ 大きい 小さい
合併症の可能性 あり 低い
効果の即効性 高い 低い

レーザーの機械は海外から輸入しているものが大半です。

そのなかには、厚生労働省が認可(薬事承認)しているものと、そうでないものがあります。
認可されている機械は審査を通っているので、より安心できると言えます。

けれども、日本で認可を得るための審査は厳しく時間もかかるため、実際には未認可の機械も多く使われています。
日本の審査には通過していないけれど、アメリカのFDA(食品医薬品局)や欧州各国などの認可は受けているといったパターンもあります。

大事なことは、その人の肌質や照射する部位の肌の状態によって、レーザーの種類やマシンの設定(照射エネルギーなどは施術者が調整できます)がちがうということです。

つまり、安全で効果的な施術をするためには、施術者のスキルが大事です。

適切なレーザーの種類やマシン設定は、人によってちがう。

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